株式会社情創 - こどものみらい応援隊

お互いに助け合ってよいものを作り、共に成長していく

―株式会社情創はどんな仕事をしていますか?

富樫社長:ものを作る会社(製造業)が困っていることや改善したいことの相談を受け、その会社にあったコンピューターのシステムを作っています。ものづくりの現場では、システムを活用することにより、 納期を短くしたり、スムーズに商品が届くよう管理することもできます。

例えば、人気のゲームソフトがたくさん広告されているのに、遊ぶためのゲーム機本体が売り切れという状態が起こってしまう場合があります。在庫切れがなく、みなさんの手元に効率よく、スムーズに商品が届くようにするのも、システム管理のひとつなんです。

株式会社情創 富樫社長

―情創が大切にしていることは何ですか?

富樫社長:いまは、パソコンひとつとっても便利なものがどんどん出てきていますよね。端末やアプリの種類が続々と増え、使う場所も多様化してきていて、さまざまなシステム開発が進んでいます。

そんな中で、私たちのような小規模のIT会社がお客様に選ばれていくには、専門性の高い技術をもつことはもちろん、大手の会社には真似のできない小回りのきく対応力を武器にしていきたいと思っています。そして、お客様のリクエストに応えられるものを、お客様と一緒に協力して作り上げることでうまれる信頼関係や、共に成長していく「共存共栄」の精神が、また次のオファーに繋がっていくと信じています。

また、それらを実現するための基本姿勢として、社員がきちんとした礼儀やマナーを身につけていることが大切だと考えており、日頃からこだわっています。これは私自身、学生時代に野球部で活動していたときもずっと言われてきたことですし、普段息子にも伝えていることですが、やっぱり礼儀やマナーが欠けている人の周りに人は集まってきませんからね。

「世のため人のため」が私を動かす

― 夢絵コンテストを支援していただいている中でのエピソードを教えてください。

富樫社長:ある時、会社に「住所も宛名も全てひらがなで書かれた手紙」が届きました。最初、どのような手紙か想像がつかず驚きましたが、実はそのお手紙は、2016年度に情創賞を受賞した小学一年生(当時)のお子さんからのものだったんです。

「絵を描くことがとても好きで、この賞をもらえたことが本当にうれしかった」というメッセージと、QRコードが貼りつけられていました。すぐさま読み込んでみると、保護者の方が絵を描いているお子さんを撮影した動画が流れたのです。それを観た私は、あらためて彼の才能に驚き、彼が描く絵に惹きつけられ、本当に絵を描くことが大好きなんだなぁと感動しました。

そして、私たちが贈った賞が、一人のお子さんの夢を後押しできたのだということにうれしくもなり、かながわ夢絵コンテストを通じて、子どもたちの夢を応援したいという気持ちが一層強まりました。その後は、受賞作品をポスターにして会社の応接室に飾ったり、Facebookのカバー写真に採用させていただいたりしています。それらを目にしてくださった人や企業の方々が絵に対する関心はもちろん、コンテストの活動そのものにも興味を持ち、私たちと同じような気持ちでサポートしたいと思う仲間が増えるといいなと思っています。

― そういった支援への熱い想いはどこからくるのでしょう?

富樫社長:今も昔も変わらず私の根底にあるのは「世のため、人のため」になることをしたいという想いです。それが私の行動、すべての情熱の源になっています。情創の社長としての仕事だけでなく、社外でさまざまな活動を行っているのも、その想いによるところが大きいですね。

例えば、就職活動を控えた学生たちに対して、彼らが抱えるIT業界に対する疑問や不安を少しでも取り除きたいと思い、大学での講義やイベントでの講演などをお引き受けしています。学生と直接対話する機会も大歓迎で、学生たちの様々な疑問や質問にも応えていますよ。私は、一人でも多くの学生にIT業界に対する興味や正しい理解をもってもらうことができ、この業界に夢を抱いて入ってきてくれる若者が増えることを強く願っています。これも「世のため、人のため」と考えているからこその活動なんです。

― 富樫社長から子どもたちにメッセージをお願いします。

富樫社長:たくさんの選択肢がある中で、「これがやりたい」「これが好きだ」というように、しっかりとした意志をもって自分の進む道を選んでいってください。

20年前はIT業界が時代をリードするなんて想像できませんでしたよ。ほら、プロ野球の球団オーナーをみれば、その変化は一目瞭然ですよね。つまり、これから先、今の世の中にはない仕事が存在する可能性も十分にあるということ。

そんな中で意志を持って将来の夢を見つけてそこに向かっていくために、2つのことをしてほしいです。1つ目は、働く経験をすることです。実際に働いてその職業に関わる人と色々な話をして学んでみてください。2つ目は、親や親せき、近所の人の仕事を知ることです。特に、今世の中に出て働いている親に20年後に残っている仕事は何かを聞いて、一緒に想像してみてほしいですね。このように、きちんと大人とコミュニケーションをとることを子どものうちからたくさん経験してください。

企業情報

株式会社 情創
http://www.johso.co.jp/

 第21回 かながわ夢絵コンテスト 株式会社 情創賞

 


 

本取材は、株式会社キャリパスとNPOこどもネットミュージアムによるインターンシップ研修において制作いたしました。
(取材:2017年8月)